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The Walking Dead―感想&レビュー [PCゲーム]

 The Walking Deadはアメリカで大人気のドラマ、コミックを基にしたエピソード形式のゲームで、ほとんど注目されてなかったにも関わらず2012年に最も多くのgame of the yaerを獲得した作品である。今回は今更ながらもこのゲームに関する感想を記す。

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 舞台はアメリカ東部に位置するアトランタ。殺人罪で刑務所に送られる途中だった主人公のリーと、両親が他の都市にでかけてしまい行方が分からないという状況下にある小さな女の子、クレメンタインを中心に、ゾンビが闊歩する世界でなんとか生き延びようとする人間たちの姿が描かれる。
 
 ゲームはイベントシーンが大半を占めるADVゲームだ。ある時はリーの話す内容を選択し、ある時は行き詰った状況を打開するためにリーを操作する。また状況によってはQTEが発生することもあれば、FPSのようにゾンビを撃ったり、壊す、埋める、切断するといった行動を求められることがある。おもしろいのは、わざわざやりたくないことまでプレイヤーに操作を要求することだ。例えば、誰かの手足を切らないといけない状況に陥った時、ほかのゲームならば「切断する」という選択肢を選べば良いかもしれない。しかしこのゲームの場合、切断箇所にマークが表れ、それを選択して行動を実行することになる。しかも妙にリアルで、何回もその動作を繰り返さないと手足は切れない。結果的にプレイヤーは嫌な思いをしてしまうのだが、それは主人公のリーも同じで、やりたくないことを実行することで主人公への感情移入がしやすくなってるように思う。

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 物語は会話と行動で分岐するようになっている。特にストーリーに大きく関わってくるのが「命の選択」だ。仲間2人が同時に襲われてしまったときにどちらを助けるのか、仲間を見殺しにするか助けるかなどといった選択を要求される箇所があり、仲間が死んでしまうと当然ながらそれ以降そのキャラクターは劇中に登場しなくなる。また普段の会話も重要で、会話中に話したことを他のキャラクターは覚えているので嘘がばれたりすれば信用度は下がってしまうし、誠実な会話を続けていれば周りの人間もリー自身もそれなりの対応をするはずだ。ただそんな簡単な話ではなく、プレイヤーはいつも苦渋の選択を迫られることになる。このキャラクターを見殺しにしないと自分が助からないかもしれない、今はみんなにこの事実を話さないほうがいい、といったような悪気はなくとも後ろめたい選択を行う事だってあるのだ。こうして主人公に同情することによって、先ほど述べた感情移入が加速する。

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 更にもう一つ、感情移入を容易にさせてくれるポイントとして「選択した理由」を後で誰かに話すことができる。普通のゲームなら、プレイヤーがどのようなことを考えて選択肢を選んだかどうかなんていうことは考慮してくれない。勝手にゲーム内の主人公が決められた理由を一人語りして実行するわけだが、このゲームでは選択した理由を聞かれることが多々ある。仲間を見殺しにしたのは自分が助からないと思ったからでしょうがなかったとも言えるし、あんな奴は死んでよかったと思った上での行動ならそのための選択肢がきっと準備されているはずだ。

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 このようにしてプレイヤーの心理と主人公の心理が近づくことにより、このゲームの魅力である秀逸なストーリーを最大限に楽しむことができる。このゲームでは秩序のない世界で人間はどのように行動し狂気に走るのか、そして希望のない世界でどう希望を見出し悲しみを乗り越えていくかがうまく描かれている。定番かもしれないが、ゾンビ物なのに一番怖いのは人間というパターンの話だ。キャラクターも、良い人間にせよ悪い人間にせよ非常に魅力的でこのゲームを際立たせる大きな要因となっている。
 
 中でも一際素晴らしいのがメインキャラであるリーとクレメンタインだ。血こそ繋がっていないが、その実の親子以上の絆には本当に感動させられる。私はゲームで感動するような性質の人間ではなく、生涯でもMGS3と(何故か)PSOで感動したくらいなのだが、今作では見事にやられてしまった。今でも2人を思い出すとウルッと来てしまう、そのくらい素晴らしい体験と余韻をこの作品は残してくれた。

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 ただ注意して欲しい点がいくつかある。まずはこの作品が英語だということ。字幕はあるのだが、会話が非常に重要な上に、制限時間付きの選択肢もあるため英語の要求度は高いと思われる。今まで辞書片手に海外ゲームをプレイしてきたという人もいるだろうが、今作でそれは通用しない。私もなんとかプレイできたが、分からないところも多く、もっと英語ができればなと何度も思った。
 2点目。近作はカートゥーン調のグラフィックにも関わらずショッキングな表現が多々含まれている。単純に見た目がグロテスクというよりも、目を覆いたくなるような行為をプレイヤー自身に要求してくるゲームである。耐性がない人には注意が必要だ。
 
 欠点は連打系のQTEが同じボタンしか使わず、しかも使用頻度が少し多めに感じるということくらいだろうか。他に欠点があったとしても、それに目を潰れるだけの魅力がこのゲームにはある。少なくとも私にとっては数年に1本あるかないかというレベルのシングルプレイゲームだった。PC、PS3、Xbox360だけでなくiOSでも出ているらしいので、機会があれば是非ともプレイしてもらいたい。

9/10

  


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